A case of primary carcinoid of the liver diagnosed by fine needle aspiration cytology

2005 
背景:肝穿刺吸引細胞診にてカルチノイドを疑い, 剖検にて肝原発カルチノイドと診断した1例を経験したので報告する.症例:37歳, 男性. 右胸腹部痛を訴え, 当院を受診. 超音波検査にて肝膿瘍を疑い, エコー・ガイド下にて経皮経肝的ドレナージならびに抗生剤投与を施行した. ドレナージにより検出された内容物は茶褐色液状様で, 細胞診検索では軽度の炎症所見と壊死物質を多数認めるのみで悪性所見はみられなかった. 造影CT画像検査では, 肝内全体に数mmから約90mmのcystic lesionを多数認めるなかに, S3とS6の部位では, 内部不均一に造影されるsolid massが観察された. CT画像診断は, cystic & solid mass of the liverであった. 精査目的にて, エコー・ガイド下に, S6の部位より肝穿刺吸引細胞診を施行した. 細胞形態学的に細胞採取量は豊富で腫瘍細胞は細胞間結合の粗な平面的集団として認められた. 個々の細胞は比較的均一だが, 全般にN/C比が高く, 一部にロゼット様配列を認めた. 細胞質はライトグリーン淡染性で核クロマチンはsalt and pepPer状を呈することから, まれではあるがカルチノイド腫瘍を疑い, 脱Papanicolaou染色標本による免疫染色を施行した. クロモグラニンは弱陽性, シナプトフィジン, NSEは陽性, CEAは陰性であった. 肝生検病理組織診では, カルチノイドを含む神経内分泌腫瘍と診断された. 肝実質のほとんどは腫瘤に置換されており外科的治療は困難と考えられ, 化学療法ならびにTAE (肝動脈塞栓術) が施行されたが, 効果なく18ヵ月後に永眠となった. 剖検による肝は著明に腫大し, 大小の多発性嚢胞性腫瘤を認めた. 腫瘍部の組織像は円形から楕円形の腫瘍細胞が充実性に, また一部でロゼット様配列を示していた. 他臓器に病変がみられないことから肝原発カルチノイドと診断された.
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