Pharmacokinetics and effects of cilazapril in hypertensive patients on hemodialysis.

1993 
高血圧を伴う維持血液透析患者7例に長時間作用型アンジオテンシン転換酵素 (ACE) 阻害薬, cilazaprilを投与し, その効果と体内動態について検討した. 透析日, 非透析日それぞれにcilazapril, 0.5mgを単回投与し血圧, cilazaprilおよびその代謝活性体cilazaprilatの血中濃度, 血清ACE活性, 血漿レニン活性, アンジオテンシンI, II (AI, AII) 濃度を測定した。 血圧はcilazaprilの投与により透析日, 非透析日ともに有意に低下した. Cilazaprilの代謝活性体, cilazaprilatの最高血中濃度 (Cmax), 最高血中濃度到達時間 (Tmax) は非透析日では21.4±4.1ng/ml, 18.3±2.7hであり, 透析日では14.0±4.7ng/ml, 11.2±3.4hであった. Cilazaprilatの半減期は28.6hと排泄の遅延が著明であるが, 透析中の半減期は3.4hと短縮していた. 上記の薬行力学的パラメータを用いて, cilazapril, 0.5mgを-週間反復投与し, 2日に-度透析を行った場合を想定して求めたシミュレーションではcilazaprilatの有効血中濃度は保たれ, 過度の蓄積はみられないと予測された. したがって透析患者にcilazaprilを投与する際は, 0.5mgを一日一回投与することが適当と考えられる. 血清ACE活性は薬剤投与後, 6時間より24時間にわたって80%以上抑制された. しかし, 血漿レニン活性, 血漿AI, AII濃度にはcilazapril, 0.5mg単回投与では有意な変化はみられず, cilazaprilの降圧効果は血中のレニン・アンジオテンシン系よりもむしろ組織のレニン・アンジオテンシン系を抑制することによる可能性が示唆された.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []