琵琶湖“烏丸ボーリング”最下部の堆積環境とその古地理上の位置
2010
琵琶湖南湖の東岸,琵琶湖博物館のある烏丸半島で掘削された「烏丸地区深層ボーリング(烏丸ボーリング)」の基盤地形上での位置についての再考と,基盤直上から上位へ,長さ62 m(掘削深度842~904 m)の部分,すなわち180万~190万年前から約170万年前頃の地層の堆積相解析を行った.その結果,烏丸コアの掘削地点の東方の野洲川・草津川平野の地下に,琵琶湖堆積物の基盤地形上の大きな河谷(主谷)が存在している可能性を述べた.そして,烏丸コアの最下部が示す堆積環境は,河川の支谷の扇状地あるいは谷壁に発達した崖錐であった場所に,主谷から天然ダム湖の水位が上昇してきて,水位変動をしながらも,そこが浅く狭い湖からより深い広い湖に次第に変化していった.また,この結論は,琵琶湖の起源に関する情報が掘削地点の東方の主谷を埋積した堆積物に残されている可能性を示している.
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