縫合創および熱傷·皮膚潰瘍創に対するHydrocolloid被覆材(HCD-02)の有用性の検討

1996 
形成外科手術後の縫合創や比較的小範囲の浅い潰瘍創, 熱傷創に対して日東電工社製の薄手タイプのhydrocolloid被覆材, HCD-02を用いて治療した結果, 本被覆材による治療は容易, 簡便で創傷治癒も良好な結果を示すとともに, 疼痛軽減効果の点で優れていることが明らかとなった。また, 接触性皮膚炎や高度の感染などの副作用は認められずその安全性は高かった。その結果, 縫合創で最終評価としては全般改善度が中等度改善以上86.6%, 概括安全度はほぼ安全以上が100%, 有用性では有用以上が88.0%であった。また皮膚潰瘍創でも同様な結果であり, 全般改善度の中等度改善以上は82.2%, 概括安全度は全例がほぼ安全以上であり, 有用性評価は有用以上84.4%であった。本被覆材は製品の色調が淡茶色で整容的な立場からも術後洗髪, シャワーが可能であるという点でも優れており使用感でも8割以上が優れているとの評価であった。一方, 副作用はまったく認められず従来のガーゼ, 軟膏を主体としたdressing法に比較し, この点でも優れていると考えられた。このように本被覆材の有用性, 安全性はきわめて高いと考えられる。一方貼付後の表皮化, 創癒合が迅速に進むのみならず術後の瘢痕形成も軽度であることも明らかとなり, この面からみた有用性もきわめて高いものがある。このように本被覆材は縫合創, 局所皮弁の手術創の被覆材, あるいは比較的小範囲の浅い潰瘍創の治療材料として優れた製品であると考えられる。
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