Low-Risk前立腺癌―Active Surveillance における賛成: 反対両論―

2011 
近年のprostate specific antigen(PSA)スクリーニングの普及とともに低リスク前立腺癌に対する過剰診断や過剰治療の弊害が指摘されるようになった。低リスク前立腺癌患者に対する治療オプションの一つにactive surveillance がある。active surveillanceの適応に関して,病期(T),PSA 値,Gleason score,生検における癌陽性コア数などの要因による患者選択基準が用いられているが,いまだ統一されたものはない。経過観察方法について,PSA doubling timeや再生検の所見によって高リスク症例を選別し根治治療の介入を行うことが提唱されているが,最適な経過観察方法はいまだ議論のあるところである。さらに,患者や医療者の心理への影響も考慮される必要がある。active surveillanceの有効性や安全性は臨床研究によって認められており,優れた治療オプションの一つと考えられる。適応基準や観察方法の完成度を高めることで医療者側も患者側も安心して選択できる治療法となることが望まれる。
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