脳梗塞に対するrt-PA静注療法後にcerebral microbleedsと同部位に脳出血を認めた1例

2012 
rt-PA静注療法後にcerebral microbleeds(CMB)と同部位に脳出血を認めた1例を報告する.症例は83歳男性.既往歴にアルツハイマー型認知症,高血圧,慢性心房細動がありアスピリン内服中.突然の右上下肢麻痺を来し,救急搬送された.来院時NIHSS 19点.頭部MRI拡散強調画像にて左中大脳動脈領域に高信号域を認め,T2* MRIにて右後頭葉白質にCMBを認めた.MRAでは左中大脳動脈が水平部で閉塞していた.心原性脳塞栓症と診断し,発症125分後にrt-PA静注療法を開始した.投与後に神経症候の増悪や改善はみられなかった.rt-PA投与終了直後の頭部CTにて右後頭葉に径2 cmの出血を認め,CMBの部位に一致していた.CMBは脳出血との関連が指摘されているが,rt-PA静注療法の禁忌項目ではない.脳アミロイドアンギオパチーを疑われ皮質下白質にCMBを有する脳梗塞症例では,rt-PA静注療法にあたり異所性の脳出血を生じる可能性がある.しかしながら,われわれの仮説を証明するには,今後の症例の蓄積が必要である.
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