A Case of Surgically Resected Mediastinal Malignant Melanoma.
1999
症例は70才, 男性.検診にて胸部異常陰影を指摘され, 当院を受診した.CTおよびMRIにて前縦隔に腫瘤陰影を認め, 1996年9月13日, 腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は10×9×5cm大の充実性腫瘍で, 病理診断の結果, 悪性黒色腫と診断された.全身精査にて縦隔以外に病変を認めず, 縦隔原発が最も強く疑われた.1998年1月, 胸部X線にて右胸水を認め, 胸部CTにて左肺門と右胸腔内の多発性結節を認めた.胸腔鏡下生検を行い, 組織学的に悪性黒色腫の再発と診断されたが, 対症療法に留め, 結局1998年9月10日に死亡した.縦隔原発の悪性黒色腫は, 著者が調べ得た限りでは本邦報告例は自験例を含めて21例のみで, 稀な腫瘍といえる.前縦隔および上縦隔発生例は18例で, うち7例に摘出術が行われ, 術後2年生存を認めたのは1例のみであった.一方後縦隔発生例は3例で, うち2例に手術が行われ, その2例とも術後5年以上生存した.
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