細胞の概日周期と分裂周期・増殖・癌化・老化──細胞レベルでの概日周期と細胞周期のクロストーク

2006 
概日周期は生物時計機構による約24時間周期のリズムで,時計遺伝子がネガティブフィードバックループをつくることで転写量が振動し,その産物が24時間周期で増減することによりつくり出される.概日周期振動は中枢だけではなく末梢にも存在し,個々の細胞レベルでつくられる.概日周期は細胞の分裂周期とは独立して制御されるが,細胞周期を促進する増殖因子刺激で時計遺伝子が発現誘導されたり,逆に概日周期を調節する光刺激で細胞周期関連遺伝子の変化が起こるなど,相互に影響を及ぼしあっていることが最近わかってきた.さらに,時計遺伝子のPer2のノックアウトマウスが癌になりやすいことが示され,臨床的にも抗癌剤の時間治療が注目されるなど,概日周期と細胞分裂,癌化などは細胞内の分子レベルでも密接な関係がある.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []