Cytologic studies on mammary cystic lesion with special reference to intracystic papilloma and intracystic carcinoma.

1995 
乳腺の嚢胞内乳頭状腫瘍に由来する塗抹細胞像の良悪性の鑑別点を明らかにすることを目的に, 嚢胞内乳頭腫4例, 嚢胞内乳頭癌7例を対象に細胞計測を含む細胞学的検討を行った。嚢胞内乳頭腫と嚢胞内乳頭癌の細胞を細胞集塊および孤立散在性細胞について観察した結果, おのおの細胞学的特徴がみられた.要約すると嚢胞内乳頭腫では細胞核の長軸方向は一方向性で細胞集塊が形成されていた. 個々の細胞は豊富な細胞質を有し, 背景にはアポクリン化生様細胞の混在をみた.嚢胞内乳頭癌では細胞核が細胞集塊から飛び出す所見がみられた。孤立散在性に出現する嚢胞内乳頭腫においては, 細胞質は部分的に重厚感がみられ核は中心性であり一部に細胞質に空胞化がみられた. 嚢胞内乳頭癌においては裸核状細胞がみられた.嚢胞内の悪性細胞の核長径は平均9.2μmで良性細胞に比べ1.2倍と有意に大きかった. 核長径の変動係数は良性例25.2%, 悪性例は18.3%と良性例に核長径の大小不同性が高くみられた. 一方, 核面積は良性例33.0%, 悪性例34.5%と核長径ほどの大きな変動係数の差はみられなかった. 良性例の方が核長径の大小不同性は高く, 多彩になる傾向にあった.嚢胞内の遊離細胞の診断のうえで重要な点は, 弱拡大による細胞集塊構築の詳細な観察と孤在性にみられる細胞の総合的な判定が重要と思われた.
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