同日に急性大動脈解離を発症した Marfan 症候群の母娘例の経験
2009
症例1(母)は48歳女性.Marfan症候群および胸部大動脈拡張でフォローされていた.胸部痛を主訴に搬送され,造影CTで急性大動脈解離(Stanford A型)と診断した.大動脈弁閉鎖不全症および心嚢水の貯留も認め,緊急でBentall手術を施行した.症例2(娘)は妊娠39週の26歳女性で,Marfan症候群の診断基準は満たしていなかった.母親が大動脈解離発症で救急を受診した際に背部痛が出現した.胎児への影響を懸念して患者が造影剤の使用を拒否したため,緊急で帝王切開を施行した.その後,造影CTで急性大動脈解離(Stanford B型)と診断した.そして,降圧療法を開始した.両症例共に軽快に退院した.症例2はMarfan症候群の基準は満たしていないものの,遺伝的素因があるなど,Marfan症候群の疑いが濃厚な妊娠例であった.このような症例については帝王切開も視野に入れて,密な周産期管理を行う必要があると考えられる.
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