冠動脈バイパス術(CABG)の術式選択の妥当性

2005 
過去6年間の単独coronary artery bypass grafting(CABG)症例223例を人工心肺非使用CABG(off-pump CABG: OPCAB)と人工心肺使用CABG(conventional CABG: CCABG)に分け,EuroSCOREを用いて比較検討した.当初,ハイリスク症例はOPCAB除外としていたが,徐々に適応を広げ,2000年以降本格導入した.現在はOPCABを第1選択とし,血行動態が不安定な症例にCCABGを行った.症例数はOPCAB:CCABG=129:94であったが,OPCAB本格導入後は94:42であった.平均EuroSCOREはOPCAB 5.8点,CCABG 4.1点と,ハイリスク症例にOPCABを多く選択した.入院死亡は3例で心臓と関係なく,OPCAB導入前のCCABG症例であった.中期遠隔死亡は5例で,心臓と関連なかった.近接期合併症は長期人工呼吸がOPCAB群で有意に高率であったが,ほかは両群で差はなかった.平均再建箇所数はOPCAB 2.1ヵ所,CCABG 2.8ヵ所であり,ハイブリッド治療導入の影響と考えられた.単独CABG症例を検討したが,ハイリスク症例をOPCABが担うことで全体として良好であった.OPCAB本格導入後は入院死亡例がなく,術式選択が妥当と考えられた.
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