Basic Study of Real Ear Measurement for Hearing Aids

2003 
補聴器の実耳での音圧増幅度 (実耳補聴利得, real ear aided lain, REAG) は, その補聴器の2cm3カプラ内での音圧増幅度 (音響利得, coupler gain, CG) とは一致しないので, 両者の差 (実耳カプラ差, real-ear coupler difference, RECD) を実測して補聴効果の推定精度を高めようとする補聴器フィッティング法が幼少児のみならず成人においても提唱されている。 本研究では, 耳科学的に正常な日本人成人のRECDを測定し, 欧米人を対象とした先行研究の測定値と比較した。 さらに, RECDの測定値の信頼性と妥当性について検討し, RECDを個別に測定することによる実耳補聴利得推定の精度改善の有無について検討した。その結果, RECDの平均値はSeewaldらの報告と最も近い値を示し, 測定した全周波数で3dB以内で一致した。 RECDの3ヵ月後再検査時の誤差は中音域で絶対値の平均が1dB強, RECD実測による実耳補聴利得の推定誤差の絶対値の平均は3kHz以下で5dB以内であった。 今回の測定精度で検査を行う限り, 伝音系が正常な成人では, 補聴器フィッティングにおいて実耳補聴利得を推定する際にRECDを平均値で代用しても同程度の精度が得られ, 個別に実測する意義は小さいと考えられた。
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