慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルス増殖に関する研究;肝内HBV DNAの解析

1985 
HBs抗原陽性慢性肝疾患患者64名の肝内HBV DNAをSouthern blot-hybridization法を用いて解析した.肝内HBV DNAはHBe抗原陽性38名中36名(95%),e抗原-e抗体両者陰性7名中3名(43%),e抗体陽性19名中7名(37%)に検出された.Southern blot像よりHBVの“active”な増殖が行なわれていると推定される症例はe抗原陽性者中大多数を占めるが,e抗原陰性者中においても26名中5名(19%)に認められ,これら症例のsGPTは高値であり,肝組織像の進展した患者に多くみられた.遊離HBV DNA中supercoiled DNAのみ認められる症例も存在し,ウイルス持続感染におけるsupercoiled型DNAの重要性が示唆された.又少数ではあるが組み込み型HBV DNAが検出され“clonal”な組み込みは肝硬変症例に,“random”な組み込みは病変の軽微な症例にみられた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    13
    References
    2
    Citations
    NaN
    KQI
    []