電位差測定法によるフッ化ナトリウム-ホウ酸-水系におけるフッ素の溶存状態の研究

1971 
水溶液中におけるフッ化ナトリウムとホウ酸との反応をガラス電極とフッ化物イオン選択性電極を用いて電位差測定法により研究し,できてくるBF(OH)3-, BF2(OH)2-の生成定数K1=[BF(OH)3-]/[B(OH)3][F-], K2=[BF2(OH)2-][OH-]/[BF-(OH)3-][F-]を求めた結果,イオン強度(NaCl) 0.1のときK1=101.38, K2=10-6.4, 0.7のときK1=101.71, K2=10-7.2を得た。この結果に基づいてすでにWamserがHBF3OH, HBF4について得ている生成定数を参考にしてフッ素が段階的に1個ずつホウ素に結合していくときの生成定数の変化とそのときの構造の変化の間の関連を考察するとともに,海水中におけるフッ素の溶存状態についても考察し,海水中のフッ素はその大部分が遊離のフッ化物イオンとMgF+の形で存在し,フッ素とホウ素の錯体としてはBF(OH)3-の形で遊離フッ化物イオンの約1/120の濃度でその存在が予想されるが, BF2(OH)2-, BF3OH-, BF4-,などの形では存在しないと推論した。
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