Histochemical Fiber Composition of Longissimus Muscle in the Berkshire Pigs Bred in Kagoshima Prefecture

1989 
本研究では鹿児島県で長い間飼養されてきたバークシャー種の骨格筋の特質を明らかにするため,胸最長筋筋線維を組織化学的方法を用いて検討した.バークシャー種肉豚の第6胸椎,第11胸椎および第5腰椎位でそれぞれ5ヵ所,計15ヵ所から,また,ハンプシャー種およびデュロック種の第11胸椎位中心部から材料肉片を採取した.凍結切片を作製後,myosin ATPase, NADH-dehydrogenase, phosphorylaseの各酵素活性およびグリコーゲンの検出を行なった.その結果,バークシャー種の胸最長筋は組織化学的に分類される基本的な3型の筋線維をすべて持っていたが,その中でも特にαW型筋線維が多く,全筋線維の約3/4を占めた.しかし,例外的に第5腰椎位の胸最長筋腹側部でβR型筋線維が極めて多く観察された個体もあった.品種間で比較すると,バークシャー種はハンプシャー種およびデュロック種よりもβR型とαR型筋線維の割合が少なく,αW型筋線維の割合が多いという特徴を示した.また,αR型とαW型筋線維の直径は品種間で差異を示し,ハンプシャー種で最も大きく,デュロック種が続き,バークシャー種で最も小さかった.一般に筋肉重量が増えるためには,筋線維の太さが増すことも重要な要因のひとつである.しかし,本研究に供試した豚ではバークシャー種は最も小さい筋線維直径を示したにもかかわらず,最も大きい直径を示したハンプシャー種にほぼ匹敵する胸最長筋重量を示した.これらのことから,バークシャー種の胸最長筋は直径の小さいαW型筋線維を数多く含有していることが示唆された.したがって,バークシャー種が特徴ある肉質を持った豚であることが明らかになった.
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