A case of toxoplasmosis associated with polyradiculoneuropathy

1985 
37才,男性に発症したトキソプラズマ症で,多発性根神経炎を伴つた1例を報告する.発熱,全身倦怠感と共に有痛性の頚部リンパ節腫脹が出現,対症療法で一時軽快したが再燃し,全身の小紅斑と肝障害も認めた.発症3ヵ月後から四肢末梢ほど強いしびれ感と深部反射消失を認め,末梢神経伝導速度低下(右脛骨神経MCV39.3m/sec),髄液での蛋白細胞解離から多発性根神経炎と診断した.血中トキソプラズマ抗体が著明な高値と経時的に有意な上昇を認めた.リンパ節生検の組織像では非特異的炎症像を示したにすぎなかつたが,特異的蛍光抗体法によりリンパ節内に栄養型トキソプラズマ原虫を証明しえた.ピリメサミンとサルファ剤による治療で改善をみ,発症の経過,治療効果から,トキソプラズマ症に伴う多発性根神経炎と診断した.従来,トキソプラズマによる神経病変は,びまん性脳症,髄膜脳炎,脳内腫瘤病変が知られるが,多発性神経炎の報告はきわめて少なくその文献的考察を含めて報告する.
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