An Aspiration Pneumonia in Acute Airway Damage Model Induced by HCl and/or LPS.

1993 
急性気道損傷モデルを作成し誤嚥に伴い肺内に生じる生化学的および形態学的変化を検討した. 対象は8~10週齢 (体重200~250g) のSDラット (SPF) である. 塩酸 (pH1.4, 0.7ml/kg), LPS (0.5mg/kg), 塩酸 (pH1.4, 0.7ml/kg) に続いてLPS (0.5mg/kg), 生理食塩水のそれぞれを気管切開にて気管内注入し, 1, 6, 12時間後に気管支肺胞洗浄 (BAL) を施行した. そしてBAL細胞数, 細胞分画, 肺胞マクロファージ由来のTNFα産生能, 上清よりエラスターゼ様活性を測定した. 別に同様に処置した動物の肺を切除し定圧灌流法によりホルマリンにて固定しH-E染色に供した. 塩酸単独注入ではTNFα産生能亢進や好中球分画の上昇は認められず, BALF中のエラスターゼ様活性も検出されなかった. 組織学的には好中球の浸潤はなく, 肺胞腔内に出血やフィブリンの滲出, 肺胞隔壁の浮腫が認められた. LPS注入が加わると, 注入1時間後に肺胞マクロファージによるTNFα産生能の亢進が認められ, 6時間後にはBAL中の総細胞数及び好中球分画の著明な増加及びBALF中のエラスターゼ様活性の亢進を認めた. 組織学的には6時間後ないし12時間後に好中球の肺胞腔内浸潤が認められ, 塩酸単独注入に比較して病理所見は増強していた. このような結果より, 塩酸注入後の急性気道損傷はLPS付加により増強され, 活性化された肺胞マクロファージよりのTNFα産生能の上昇が病変の成立に関与すると思われた.
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