Tracheobronchial Foreign Bodies in Adults. From a Standpoint of Otolaryngology.

2002 
気道異物は,生命予後にも直結するため適切な診断と迅速な対応が求められる。一般的に気管支異物は乳幼児に多く成人には稀であるが,成人例では誤嚥の発症に関連する様々な要因が気道異物の発症にも関連することがある。本稿では,成人の気道異物の症例を呈示し,成人の気道異物の発症に関連する背景につき考察する。症例1は,ALSの診断で経過観察中の70歳男性で,嚥下機能検査では咽頭流入と咽頭残渣を呈し,食物片や義歯による気道異物を繰り返した。症例2は,両側声帯麻痺の診断で気管切開術を施行された70歳男性で,痂皮による気管異物のため呼吸困難を呈し気管支鏡下にバスケット鉗子を用いて異物を摘出した。気道異物への対応は,迅速な異物の摘出に尽きる。気管・気管支異物は,全身麻酔下にventilation bronchoscopeによる摘出が一般的であるが,成人例ではflexible bronchoscope (FBS)による異物摘出も有用なことがある。一方,成人例では,突発的な気道異物のリスクとなる咽頭流入や咽頭残渣をしばしば認め,気道異物を予防するため嚥下機能の低下に対する適切な対応が求められる。
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