Mass screening by Endocyte cytology and biopsy curettage for endometrial cancer.

1994 
近年子宮体癌は漸増し, 子宮癌の約2割を占めるようになった.1987年老人保健法に子宮内膜細胞診による子宮体癌検診が導入されたが, 子宮頸部の細胞診断に比し, 内膜細胞診断の困難性が指摘されており, physician delayなどによる癌の診断の遅れも危虞されている.本稿においては一大学病院における子宮体癌検診および子宮体癌の細胞診断の現状を調査し, 精度管理上の問題点について検討した.1984年1月から1990年12月までの7年間に施行されたEndocyteによる内膜細胞診とbiopsy curetteによる組織診を併用した子宮体癌検診626例を対象とした.この626例の体癌検診から内膜増殖症3例, 子宮体癌11例が検出された.細胞診のsampling errorは2.9%と少なく, 組織診のそれは30%と高率であった.組織診のsampling errorのうち約70%は組織採取不能例で, この群からはその後2年間, 子宮体癌は発見されなかったことから, 組織採取不能な場合は陰性診断の補助的役割を果たすことが示唆された.また同時期に診断・治療した子宮体癌は62例で, 医師側の診断の遅れ (physician delay) や細胞診断の結果について検討した.2ヵ月以上のphysician delayは32%にみられ, その原因として子宮体癌検診が施行されなかったものが60%, 内膜細胞診のunderdiagnosisあるいはsampling errorによるものが35%であった.細胞診の偽陰性率は子宮内膜増殖症では64%, 子宮体癌では13%であった.以上の結果より子宮体癌検診においては, high risk群に対して積極的に子宮内膜細胞診と組織診を併用することが望ましいと考えられた.
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