(2)【病態生理を理解する】5 大動脈解離

2009 
大動脈解離とは大動脈壁が動脈硬化や先天性の結合織疾患などで脆弱な状態のときに,血圧上昇などをきっかけとして内膜に亀裂が生じ,その亀裂が中膜の途中まで達し,その深さの部位からさらに長軸方向に裂けて,血流が流れ込み,大動脈が真腔と解離腔に分かれ,その解離が症例によっては上行大動脈から腸骨動脈まで2 腔構造となるような病態です.しかし,中には解離は生じたものの,流入した血液が直ちに血栓化し,2 腔構造にまで至らないものもあり,これらは血栓閉塞型(偽腔閉塞型)大動脈解離と呼ばれます.これに対して2 腔構造で,真腔も解離腔も血流が存在するものを解離腔開存型(偽腔開存型)大動脈解離と称しています(「めでみる大動脈解離」).大動脈解離の範囲は症例によってさまざまであり,解離が起こった部位と解離範囲で分類が成されています.特に,世界的に用いられているのはDeBakey(ドベーキー)分類とStanford(スタンフォード)分類です.
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