大腸に発生したLymphoepithelial-like carcinomaの1例

2011 
Lymphoepithelial-like carcinoma(以下,LECと略記)は,組織学的にnasopharyngeal carcinomaと形態が類似しEpstein-Barr virus(以下,EBVと略記)感染の関与が示唆されている上皮性腫瘍であるが,大腸に発生することはまれである.症例は88歳の女性で下血を主訴とし来院.横行結腸肝彎曲部に1型腫瘍を指摘され,結腸癌の診断で外科的切除を行った.病理組織学的には,低分化で漿膜下層に浸潤し,小型腺管が索状に増殖するLECと診断された.腫瘍内にはCD3陽性T細胞リンパ球がびまん性に浸潤していた.LECは,nasopharyngeal carcinomaと同様にEBV感染率が高いと報告されているが,自験例ではEBV感染は証明されなかった.リンパ球浸潤が著明なLECやEBV感染例では予後良好と報告されているが,その臨床的意義はいまだ明らかではない.
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