高齢者の皮膚そう痒症および皮脂欠乏性湿疹に対するセチリジン塩酸塩(ジルテック®錠)の有用性の検討

2011 
65歳以上の皮膚そう痒症および皮脂欠乏性湿疹患者に対して,セチリジン塩酸塩(ジルテック®錠)の有効性と安全性について検討した。痒みの推移および掻破痕の推移について,2週後,4週後において有意な改善がみられた。有害事象はみられず,総合評価の有用度ではすべての例で有用であった。セチリジン塩酸塩10mgを2週間経口服用し,全般改善度が「軽度改善」以下の症例,あるいは患者満足度が「やや不満」以下の症例に対して,セチリジン塩酸塩1日1回20mgに増量してその改善効果を検討した。結果として,セチリジン塩酸塩1日1回20mgに増量することによって,10mg1日1回服用で満足のいく症状改善効果を得られなかった症例の症状を有意に改善できた。また,全般改善度においてもセチリジン塩酸塩20mg1日1回服用に変更後,有意な改善が認められた。セチリジン塩酸塩は10mgの通常用量2週間の内服により76%で症状の改善がみられ,通常用量で効果不十分例でも20mgに増量することにより,合計で89%の改善度を示した。重篤な副作用もみられず,安全性も高く,有用な薬剤の一つと考えられた。
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