Analysis of Polymer Layers on Red Blood Cell Surfaces with Soft Particle Models
2010
輸血前の血液型検査酵素法の原理解明のために,赤血球の表面解析と相互作用の算出を行った.赤血球の電気泳動移動度を,その表面高分子層を考慮した「柔らかい粒子」モデルによる二つの理論によって解析した.従来の理論に比べ,高分子鎖の拡散分布を取り入れた拡散モデルでは,表面高分子層の性質をより詳細に解析することが可能であった. さらに,赤血球の形状および表面層を考慮して引力および斥力を算出し,赤血球間相互作用エネルギーを計算した.そのエネルギー曲線から未処理および酵素処理赤血球間の最近接距離を計算し,IgG 分子が結合できるかどうかを判別した.その結果,タンパク質分解酵素による赤血球凝集の促進は,表面電荷密度の減少とともに,表面層の厚さが減少することが大きく作用することが明らかとなった.
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