Sister Mary Joseph's noduleを認めた上行結腸癌の1例
2010
内臓悪性疾患の臍転移はSister Mary Joseph結節(SMJN)といわれ,発見から死亡まで1年以内との報告も多く,悪性疾患の予後不良因子として認知されている.今回臍部の発赤,疼痛を主訴に来院し精査の結果,上行結腸癌の臍転移と診断した症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は60歳,男性.平成19年初旬より臍部の発赤,疼痛を認め近医を受診.臍周囲炎の診断で消毒処置を施行していたが,改善しないため1カ月後に紹介受診となった.当院初診時には臍部に1cm大の硬結を触知し発赤,疼痛を認めた.内臓悪性疾患の臍転移を疑い精査を施行し,上行結腸癌の臍転移,腹膜播種と診断した.全身状態,腹膜播種などの状況を考慮し化学療法を施行したが,発症後15カ月で死亡した.本症に対しては速やかな診断,化学療法と適切な時期の外科治療の組み合わせにより予後の延長の可能性があると考えられた.
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