Paclitaxel 投与が有効であった再発乳癌による心タンポナーデの1 例

2012 
症例は44 歳,女性。呼吸苦を主訴に受診。2 年前に他院で左乳癌に対してBt + Ax 施行された[T2N1M0,ER(3+),PgR(3+),HER2: 1+]。術後補助療法はホルモン療法のみであった。呼吸苦を主訴に当院を受診し,CT で両側胸水・心嚢水の貯留を認めた。胸水穿刺・心囊穿刺を施行,血性の心囊水が700 mL 引け,胸水・心囊水ともに細胞診はclass V であった。全身状態安定後weekly paclitaxel(PTX)を開始,18 回施行後胸水はほぼ消失し,呼吸苦は消失した。現在,心囊水の再貯留はなく,weekly PTX 投与を継続中である。乳癌転移の癌性心膜炎による心タンポナーデは予後不良である。報告例では局所化学療法や癒着療法があるが,近年の傾向として全身化学療法が選択される報告が多い。本症例は穿刺ドレナージ後の全身化学療法が有効であった。
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