胆汁細胞診の採取・判定方法に関する研究 (第 1 報)

2010 
目的 : 貯留胆汁細胞診の正診率の向上を目的に, 多施設共同研究にて細胞判定基準を作成した.方法 : 胆膵病変から得られた貯留胆汁細胞診標本上の任意の 38 の細胞集塊を対象に, 細胞判定時に重視した所見を抽出してその意義を検討し, 癌細胞の判定に寄与しうる所見を精選して判定基準を作成した.成績 : 判定基準を以下のように定めた.A の 3 項目あるいは B の 3 項目を満たした細胞を腺癌細胞と判定することができる. C および D は参考所見として重視される.A. 細胞集塊の判定基準 1. 不規則な重積性 2. 核の配列不整 3. 集塊辺縁の凹凸不整B. 個々の細胞の判定基準 1. 核の腫大 2. 核形不整 3. クロマチンの異常C. その他の重視される所見 1. 壊死背景 2. 多彩な細胞集塊 (単個∼集塊) の出現D. 注意すべき点 1. 1 ヵ所の異常のみを取り上げないこと 2. 核内構造の判定 : 長時間放置などによる細胞形態変化があっても, 核内構造がみえれば判定することは可能 3. 良性細胞集塊の参考所見 : (1)核間距離均等, (2)集塊辺縁の周囲に細胞質がみられる結論 : 本判定基準を貯留胆汁細胞診の判定に利用することで, 正診率の向上が期待された.
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