BCGワクチンの過去,現在,そして未来

2013 
BCG ワクチンは1921 年にCalmette とGuerin によってフランスで開発された.抗結核薬の登場する以前は,BCG ワクチンだけが結核の予防に効果があった.BCG ワクチンはわが国で当初再接種されていたが,接種後の局所の潰瘍や瘢痕が問題となり,1967 年に皮内接種から現行の9 針管針2 押しによる経皮接種に変更となった.BCG ワクチンは再接種が廃止され,2005 年に直接接種となった.BCG ワクチンは成人では50%の発病予防効果があり,新生児,乳児の効果は74%であり,結核性髄膜炎や粟粒結核の発病予防にも効果が高い.近年,BCG の副反応として皮膚病変や骨炎の報告が増加している.そのため接種時期は,2013 年4月より現行の生後6 カ月未満から1 歳未満へ見直し,標準的接種期間は生後5 カ月以上8 カ月未満とされる.わが国ではBCG ワクチンの接種を廃止する段階にはなく,将来的には新規のBCG ワクチンの開発や結核の流行状況によって接種基準や対象も変化すると推測される.
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