Acetate metabolism and uncomfortable symptoms induced by hemodialysis

1981 
酢酸透析中にみられる悪心, 嘔吐, 頭痛, 急激な血圧降下等の不快症状の原因の1つに, 透析液より体内への酢酸の大量負荷が考えられるが, 負荷された酢酸の代謝や作用機序及び不快症状との関係は不明である.我々は重曹透析患者を比較対象として, 酢酸透析中の血清acetate, lactate, pyruvate及びTCA-cycleの中間代謝物質を経時的に測定することによって, 負荷されたacetateの生体への細胞レベルでの影響を検討した.方法は重曹透析6名及び酢酸透析6名にそれぞれ1.1m2のHFKダイアライザーを用いて, 透析中の上記物質の血清濃度を経時的に測定した. また別に2.1m2の大面積ダイアライザーを用いた酢酸透析5名において不快症状の発現, 血圧, 脈搏を連続的に記録し, 血清acetate, malate, citrate及びisocitrateの濃度を連続的に測定した. 酢酸透析液は37mmol/lの酢酸ソーダをアルカリ剤として含み重曹透析液は25mmol/lの重炭酸ソーダと10mmol/lの酢酸ソーダを含んでいるものを用いた. またacetate lactate pyruvate及びTCA-cycle中間代謝物質の測定にはisotachophoresis (IP-1B, Shimadzu) を用いた.この結果, 重炭酸透析では透析中その値が殆んど変化せずに, 酢酸透析で経時的に且つ有意に増加をみたのはacetate, citrate, malateの濃度であった. isocitrateはacetate濃度が5mmol/lをこえて後に検出可能となった. これ等の物質の血清濃度相互間に相関々係を認めた. またacetate濃度の上昇, isocitrateの出現と不快症状発現との間に密接な関連があることが示された.以上のことより, 酢酸透析に伴う不快症状の発現は, acetateが患者体内にその代謝能力以上に負荷された結果生ずる代謝障害が原因であるということが推測された.
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