異時性肝転移切除後5 年間転移再発を認めない横行結腸癌の1 例

2011 
症例は77 歳,男性。2003 年2 月に横行結腸癌(SS,N0,P0,H0,M0,Stage II)にて横行結腸切除,D3 郭清を施行。以後経過観察。2004 年4 月CEA 66.4 ng/mL と上昇し,5 月に腹部エコーで肝S7 に径20 mm の低エコー腫瘤を認めたが,造影CT で腫瘤は描出されず。7 月にCEA 116.3 ng/mL と上昇し,同月MRI にて肝S7 に径22 mm の転移性腫瘤を認めた。以降もCT で腫瘤は同定されず,CEA,エコー,MRI にて経過を追った。入院,手術は拒否。7 月よりS-1 100 mg/日およびPSK 3 g/日の投与を開始。3 コース目に腹痛,食欲低下と催涙にて中止。以降,経過観察。11 月のエコーで肝転移は径15 mm と縮小し,CEA も16.7 ng/mL と著減。しかしエコー上,肝転移は徐々に増大。2005 年7 月にCEA 57.1 ng/mL と上昇し,MRI で腫瘍径25 mm と増大。S-1 再投与後,本人が切除を希望。11 月肝転移巣切除を行った。直前のCEAは101.0 ng/mL,画像上腫瘍径は28 mm まで増大。標本上転移巣は径32 mm,中分化腺癌であった。2006 年1 月より10 月までUFT/UZEL の投与を施行。その後は本人の希望で再び経過観察のみとなった。現在CEA は正常値を維持。2011 年6 月までCT,エコー,MRI などで再発転移を認めていない。
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