Two Infants with Classical Polyarteritis Nodosa but Not Kawasaki Disease

2000 
乳児発症した結節性多発動脈炎(polyarteritis nodosa: PN)の2例を経験した.発熱,不定形発疹など川崎病と共通した症状で発症しながらも,全身状態は極めて不良で,浮腫,低アルブミン血症,検査所見などから推察される血管透過性の破綻は激烈であり,喘鳴や大泉門膨隆・緊満感といった,他臓器における血管炎症状と思われる呼吸器症状・中枢神経症状をも呈した.その臨床経過は川崎病が約10日から2週間で終息する急性一過性炎症性疾患であるのに対し,一端終息した炎症が発症10日以降にも再燃する傾向をみせ,結果的に冠動脈瘤,肺間質性陰影を形成した.この2症例の経験から川崎病との相違は,(1)血管炎症の程度が重篤である,(2)血管炎の主座が冠動脈だけでなく,多岐にわたり様々な症状を呈する,(3)再燃を起こしうる慢性疾患であると考えられた.両者の鑑別は病初期には困難であるが,大量γ-グロブリン療法や血漿交換療法にて完全な炎症の鎮静が不可能な場合には, PNである可能性を十分考慮し,注意深い血管動脈瘤の観察を行いながら,ステロイド薬やシクロホスファミドパルス療法などの早期の強力な免疫抑制が必要であると思われる.
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