透析患者における化学発光免疫測定法 (ケミルミシステム) によるintact PTH測定

1991 
透析療法の長期化に伴って生じる二次性副甲状腺機能亢進症の診断には血中副甲状腺ホルモン (parathyroid hormone: PTH) と血中カルシウム (Ca) の測定が有用である. しかし, PTHは血中では種々のフラグメントの形で存在し, その測定部位も一様ではない. この中で, intact PTHは分泌型のPTHであり, かつ生理活性を有しているため臨床的有用性は高く評価されているが, 従来法は放射性物質を用いるIRMA (immunoradiometric assay) 法を測定原理としている.今回開発された化学発光免疫測定法によるPTH測定キットは, 放射性物質を使用せずにintact PTHが測定できる. 我々は本キットを用いて, 透析患者におけるintact PTHの動態を検討した. その結果, 本キットにより測定したintact PTH (Chemilumi-PTH, CL-PTHと略記) は血中Ca値の変動に鋭敏な反応を示し, またアルカリフォスファターゼと相関性を有することから, Ca代謝や骨代謝異常をよく反映していると考えられた. さらに, ビタミンD経口パルス療法や副甲状腺摘除術 (PTX) などの治療効果を追う上でも適していると思われ, 臨床上有用性が高いと考えられた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    3
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []