乳牛の血清およびミルクの尿素レベルに及ぼす飼料の影響 : II. 低エネルギー飼料の影響

1967 
前報で,乳牛の血清およびミルクの尿素レベルは,摂取粗蛋白量と密接に関係していることを報告した.しかしながら,示された関係は,摂取エネルギーが不足する飼養条件では,成立しないと考えられる.本報告では,二種類の低エネルギーの実験飼料を長期間乳牛に給与し,その場合における血清およびミルクの尿素レベルの変動について観察した.実験に用いた乳牛は,体重400~500kgの泌乳中の健康なホルスタイン乳牛10頭である.用いた飼料は,主として野乾草および配同飼料で,実験当初の約40日間,NRC要求量を基礎にして飼料給与をおこない,そのあと,低エネルギー・低蛋白,および低エネルギー・高蛋白の二種類の飼料を,約10カ月間給与して,尿素レベルを観察した.観察結果を要約すると,次の通りである.I)低エネルギー飼料を給与することにより,乳量および体重は減少した.体重は飼料変換後2ヵ月のあいだに,著しく減少した.2)低エネルギー・低蛋白飼料を給与した乳牛の尿素レベルは,飼料変換後2カ月のあいだは,明らかな変化を示さなかった.しかしながら,飼料給与を3~4カ月続けることにより,明らかに減少した.4カ月以上の給与により,6~7mgN7100mlに低下した. 3)低エネルギー・高蛋白飼料を給与した乳牛の尿素レベルは,飼料変換後ただちに増加し,給与期間中,非常に高い値を示した.4)肝のアルギナーゼ含量は,低エネルギー・低蛋白飼料給与により減少し,低エネルギー・高蛋白飼料給与により増加した.
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