【代謝】 GPR40 の生理機能とGPR40 アゴニストの薬理作用

2016 
◎ GPR40/FFAR1 は中長鎖脂肪酸をリガンドとするG 蛋白質共役型受容体(GPCR)で,膵β細胞に高発現する.GPR40 活性化は既存のインスリン分泌促進刺激とは異なる作用機序を介してインスリン分泌を惹起することから,その低分子アゴニストはあらたなインスリン分泌促進薬として期待されてきた.Fasiglifam(TAK-875)は武田薬品工業で創製された選択的GPR40 アゴニストであり,2 型糖尿病患者を対象とした臨床試験において有効性が確認された.本稿では,fasiglifam の非臨床から臨床に至るまでの一連の創薬研究を通して得られたGPR40 の生理機能やアゴニストの特徴的な薬理作用に関する知見を中心に,最新のGPR40 に関する知見も踏まえて概説する.これらの知見は,低血糖リスクが少なくかつ強力な血糖コントロールを達成しうる2 型糖尿病治療薬としてのGPR40 アゴニストの可能性を示唆する.また近年,fasiglifam とは異なるタイプのGPR40 アゴニストも見出され,その非臨床成績から明らかとなってきたGPR40 のあらたな側面についても最後に紹介したい.
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