Peribiliary capillary plexus (PBCP) 内に沿って発育進展した肝細胞癌の1切除例

1998 
肝細胞癌がperibiliary capillary plexus (PBCP) に発育進展することにより胆管狭窄をきたし, さらには閉塞性黄疸を呈した, 非常にまれな症例を経験したので報告する. 症例は60歳, 男性. 主訴は右季肋部痛及び背部痛. 入院, 精査の結果, 肝細胞癌もしくは胆管細胞癌疑診にて, 当科入院となった. 血液検査では, 肝機能異常とPIVKA-IIの高値を示した. 画像検査において, 肝S4の直径3cmの腫瘍とそれに連続する左胆管内腫瘍栓を認めた. また総胆管には, 約5cmにわたる不整狭窄像を認めた. 以上の検査結果より, 肝細胞癌の胆管内浸潤と診断し, 肝左葉切除術と総胆管切除術を施行した. 摘出標本の病理組織学的検索により, 肝細胞癌のPBCP内に発育進展したための総胆管狭窄と診断された. 文献的考察の結果, 現在までにこのような進展形式をともなう肝細胞癌の報告は検索しえなかった.
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