MTX+5-FU+Low-Dose CDDP(MFP)療法にて3年4か月の長期生存が得られた癌性胸腹膜炎・両側Krukenberg 腫瘍を合併した4型進行胃癌の1例

2006 
患者は41歳,女性。腹部膨満感・不正性器出血を主訴に当院婦人科を受診。腹部CT および腹部超音波にて,両側卵巣腫瘍,大量腹水および両側胸水を認めた。上部内視鏡にて4型進行胃癌と診断され,当科に入院。MTX+5-FU+low-doseCDDP(MFP)による多剤併用化学療法を3コース施行したところ胸腹水の消失をみたため,手術(胃全摘出・膵尾部切除・リンパ節郭清および子宮単純全摘出・付属器切除術)を施行し退院。術後化学療法を繰り返し施行した。化学療法開始後1年8か月にリンパ節再発を認め,CPT-11+CDDP による化学療法に変更し,リンパ節の縮小が得られた。さらに9か月後にTS-1を導入し3コース施行。初回化学療法開始後2年10か月に腹痛,腰痛出現。骨シンチグラムにて骨転移を認めた。リンパ節腫大も認め,放射線および化学療法(CDDP+5-FU)を施行し軽快。再び腹部CT にてリンパ節腫大,多発性肝転移,腹水および右胸水を認め入院。CDDP 腹腔内投与を行ったが,状態悪化し死亡した。治療開始後,約3年4か月の長期生存が得られた。腹膜播種症例に対して,MFP 療法は期待できる化学療法の選択肢と考えられた。
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