A Case of Retrograde Intussusception of Sigmoid Colon in Adult

2011 
成人腸重積症は比較的まれな疾患であり,なかでも逆行性の腸重積はまれである.今回,我々はS状結腸腺腫による逆行性腸重積を生じた1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は89歳の女性で,腹痛,腹部膨満を主訴に当院を受診した.腹部CTの冠状断像でS状結腸が横行結腸に逆行性に重積する像を認め,S状結腸逆行性腸重積症と診断し,緊急手術を施行した.開腹すると,S状結腸が横行結腸まで逆行性に陥入しており,徒手整復が困難であったため,重積部を含め結腸左半切除を施行した.切除標本ではS状結腸に5.5cm大の亜有茎性ポリープを認め,組織学的にはtubulovillous adenomaであった.大腸逆行性腸重積症の診断にはCTが有用であり,その原因病変が悪性腫瘍である可能性もあることから,手術にあたってはリンパ節郭清を含めた腸管切除を行うことが必要である.
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