A Study of Hemodilutional Autotransfusion (HAT) in Arthroplasty

1991 
自己血輸血は,同種血輸血の節減,および副作用の回避を目的に行なわれるが,その中で希釈式自己血輸血(HAT)は操作が簡便で迅速に行なうことができ,積極的に活用すべき方法である.今回,整形外科人工関節置換術症例を対象にHATを行ない,その有用性を検討した.自己血採血時にはケタミンを用いたが,高齢者でも安全に600~1,000mlの自己血が採血可能であった.HAT施行群では同種血輸血の節減が可能であり,かつ無輸血群においては肝機能異常を全く認めず,また,HATによる凝固系への影響も全く認められなかった.しかしながら,HATのみでは約半数に術後同種血輸血が必要となり,貯血式および回収式自己血輸血,あるいは,低血圧麻酔などの併用を考慮する必要があると思われた.
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