β-アルミナに關する研究 (第7報) CaO-Al2O3系に於ける合成試驗 (試料の調製並に生成化合物の判定)

1944 
(1) 本報にてはCaO-Al2O3系に於けるβ-Al2O3生成の有無を檢するためCaO・Al2O3に相當するCaO量即ち35.49%迄の低石灰領域に於て11種の割合に試料を調製して見たが特に此領域に於て從來β-Al2O3として提唱せられた數種の化合物に就て吟味檢討を加へる事とした.(2) 之等の調合試料はその化學成分に從つて1550°-1800℃の温度範圍に於て半融状態に燒成し先づその微粉碎試料に就て遊離石灰, 遊離アルミナを測定して化合状態を檢すると共に夫等の結果より化合アルミナと化合石灰のモル比を求めて生成化合物の種類を判定した.(3) 共結果各試料中にはいづれも遊離石灰は存在しないが遊離マルミナは殆ど大部分の試料に存在し夫等の化合アルミナと化合石灰のモル比は3CaO・5Al2O3に相當する1.67に近い値を示した. 故にCaO・Al2O3迄の低石灰領域に於てはCaO・Al2O3以外に3CaO・5Al2O3の化合物のみが存在し從來提唱されたCaO・6Al2O3, 2CaO・Al2O3, 3CaO・16Al2O3及CaO・2Al2O3等のβ-Al2O3型の化合物の存在は以上の實驗にて既に疑はしくなつた.(4) 以上の實驗で得た遊離アルミナ部分に就ては鏡檢を行つて見た. 其結果各試料の遊離アルミナ部分はいつれもα-Al2O3の光學性を示しβ-Al2O3に相當するものではなかつた. 最後に各試料に就て比重を測定した.(5) 以上の諸結果は次に顯微鏡觀察並にX線分析により追究する事とする.
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