銀(I)-N,N-ジエチルジチオカルバメート錯体のメンブランフィルター捕集/直接導入黒鉛炉原子吸光法による微量銀の定量

1998 
水試料中の微量銀をN,N-ジエチルジチオカルバミン酸(DDTC)と錯形成させ,ゼフィラミンを加えた後,吸引濾過することにより,ニトロセルロース製メンブランフィルター(NC-MF)上に捕集する.これを内径既知の紙パンチで打ち抜き,黒鉛炉内に導入し,原子化させる銀の直接定量法について試みた.銀濃度0.24μgl-1以下の試料溶液250mlに2%クエン酸水素二アンモニウム溶液5mlを添加した後,アンモニア水でpH9に調整する.これに0.5%DDTC溶液2ml及び0.3%ゼフィラミン溶液5mlを加えて60℃の恒温槽中で30分間かくはんした後,孔径0.10μmのNC-MF(内径17.2mm)を用い吸引濾過する.このNC-MFを乾燥させた後,直径2.0mmの紙パンチで打ち抜き,ディスクを作製する.ディスクを黒鉛炉内に導入した後,N,N-ジメチルホルムアミド10μlを添加し,銀の原子吸収によるピーク面積を測定する.本法における検出下限(3δ)は,0.04ngであり,定量下限は試料溶液250mlのとき12ngl-1となる.更に,本法におけるMFへの捕集機構について,電子顕微鏡による表面観察などを含め考察した.
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