Toll-like receptorを介した肝星細胞の活性化制御

2013 
Toll 様受容体は哺乳類においては10 種類以上が同定されているが,自然免疫反応を調節する主要なパターン認識受容体であり,外因性の病原体関連分子パターンおよび内因性のダメージ関連分子パターンを認識する.その下流にMyd88 依存的経路とTRIF 依存的経路を有し,NF-κB およびMAPK を活性化するとともに,type 1 IFN の産生を促進する.肝は門脈を介して腸管からの血流が最初に到達する臓器であり,腸管由来の病原体関連分子パターンへの曝露がその病態機序に大きな役割を果たす.とくに現代の肝臓病は非アルコール性脂肪肝炎やアルコール性肝障害のみならず,生活習慣に基づく腸内環境と腸管由来因子に病態の多くを規定される.肝線維化に中心的な役割を果たす肝星細胞にはほぼすべてのToll 様受容体が発現しており,それらを介した肝星細胞の活性化制御は今後肝線維化の重要な治療ターゲットとなるものと予想される.
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