栄養障害を有するBCLC Stage B の肝細胞癌に対する経橈骨動脈的肝動脈化学塞栓術の意義

2018 
背景・目的:Barcelona Clinic Liver Cancer(BCLC)stage B の肝細胞癌(HCC)に推奨される治療法は経カテーテル的肝動脈化学塞栓術(TACE)であるが,stage B には栄養障害のためTACE が施行できない症例も含まれる。そこで,分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤で栄養障害を改善させTACEを施行することで,HCC 生存期間の延長に寄与できるか検討した。方法:対象は肝硬変合併HCC 88 例で,まず全例にBCAA顆粒製剤を投与した。投与後にAlb 値が変化なし,もしくは低下例はBCAA 顆粒製剤から肝不全用経腸栄養剤に変更した。本治療でChild-Pugh score が改善した症例はHCC に対するTACE を施行した。成績:BCAA 製剤による積極的な栄養療法の介入により,88 例中66 例(75%)にTACE を施行し得た。TACE を施行した症例は有意に生存期間が延長した(p<0.0001)。結論:BCLC stage B のHCC に対しては早期に肝不全用経腸栄養剤へ変更し,TACEを行うことでHCC 治療成績の向上に寄与する可能性がある。
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