Changes of luminescence properties dependent on OH-impurities in natural quartz

2003 
天然石英の放射線誘起現象である熱ルミネセンス特性は,生成起源の異なる石英試料間はもとより,石英単結晶内においても著しく異なっている.青色熱ルミネセンス(BTL)に強弱部位を示す水晶Zカット薄片を1100℃ で100時間熱処理を施した結果,薄片全体が赤色熱ルミネセンス(RTL)へと変化するとともに,TL感度は極端に増加し,光励起ルミネセンス(OSL)感度にも熱処理に伴う増加傾向が見られた.これらルミネセンス特性変化の原因解明のため,顕微赤外(IR)吸収スペクトルの測定(個々のピークを明りょうにするため液体窒素温度下にて測定)と,示差走査熱量測定(DSC)によるα-β転移温度の変化を測定した.弱いBTL(薄いカラーセンター着色)部位が強いBTL(濃いカラーセンター着色)部位と比較して,OH基由来の強いIR吸収を示すとともに,より低いα-β転移温度を示していた.熱処理後には,含有水を含めOH基由来のIR吸収ピーク減少が見られ,更にはα-β転移温度の一層の低下(薄いカラーセンター部位は571.6℃ から570.3℃ へ)が観測された.石英の熱処理に伴い,水の蒸発揮散を伴う脱水縮合が起き,放射線照射に伴うBTLやカラーセンターの原因であるAlホールセンターを消す原子状水素(H0)の生成が全体的に減少したため,ルミネセンス強度増加がもたらされたと解釈できた.この際,水の揮散により結晶格子にゆがみが生じ,Al不純物関連の点欠陥の結合距離や結合角が変化したため,Alホールセンターの準位が変化し,その結果,BTLからRTLへと変化したと考えた.
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