小肝細胞癌に対する肝切除術とtranscatheter arterial embolizationとの治療成績の比較

1991 
腫瘍最大径3cm以下の肝癌102症例の予後について, 治療法の違いによる予後の検討を行った.肝切除術50例では絶対的治癒切除術12例, 相対治癒切除術19例, 相対非治癒切除術15例, 絶対非治癒切除術4例が行われた.Transcatheter arterial embolization (TAE) 52例中24例ではTAEを1回のみ (TAE-O), 残る28例では2回以上 (TAE-TM) 行った.治癒切除例の予後はTAE例よりも良好であったが, 非治癒切除例とTAE例間には有意差は認められなかった.肝内転移陰性例では, 肝切除例の予後が有意に良好であったが, 肝内転移陽性例では差は認めなかった.TAE-OとTAE-TMではTAETMの予後が有意に良好であったが, いずれも絶対治癒切除例の予後よりも不良であった.相対治癒切除例の予後はTAE-Oよりも良好であったが, TAE-TMとの比較では4年生存率でのみ有意差が認められた.小肝癌の治療に際しては, 良好な予後をうるためには治癒切除術が必要である.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    1
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []