A Patient with Ileal Carcinoids Associated with Radiating Soft Tissue Strands in the Mesenterium.

2001 
腸間膜牽縮を伴った回腸カルチノイドの1例を報告した. 患者は54歳の男性. 主訴は間歇的腹痛発作. 身体所見では右下腹部に約10cm大の腫瘤を触知した. 腹部CT所見では回腸末端部の腸間膜内に造影早期より染まる4×2.5×7cm大の腫瘍と, それより周囲小腸に向かう放射状構造物を認めた. また, 小腸内腔と壁内の2か所に造影効果陽性部分と腸間膜内に多数の小リンパ節を認めた. 手術所見では回腸末端部腸間膜内に8×5×3cm大の充実性腫瘍と腫大したリンパ節を多数認めた. 腫瘍を中心に回腸末端部は一塊となっていたため, これらを腫大したリンパ節とともに摘出した. 切除標本では小腸粘膜面に約25mm大の広基性腫瘍1個と3~8mm大の粘膜下腫瘍を7個認めた. 病理所見ではいずれもカルチノイドであったが, 広基性腫瘍は漿膜下層まで浸潤していた. また腸間膜の腫瘍も同様の細胞で形成されており, リンパ節転移巣と判定した. 術後1年たった現在, 再発の徴候はない.
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