A trial of hemodialysis using cooled dialysate on a patient showing dialysis disequilibrium syndrome
1986
慢性透析患者の透析困難症に対する有用な透析法について検討した. この患者は, 通常のアセテート透析・バイカーボネイト透析では高度の血圧低下および気分不良を呈するため, 十分な除水が不可能であった. そこで, バイカーボネイト透析下で透析液ナトリウム濃度と透析液温度の組み合わせを種々に変えて, 5つのパターンについて平均血圧・脈拍数・除水率・補液量・自覚症状の有無, 頻度について検討した. 1) パターン1; Na濃度140mEq/l, 液温36.5℃. 2) パターン2; Na濃度140mEq/l, 液温34.0℃. 3) パターン3; Na濃度150mEq/l (3.5hr), 140mEq/l (1.5hr), 液温36.5℃. 4) パターン4; Na濃度150mEq/l (3.5hr), 140mEq/l (1.5hr), 液温34.0℃. 5) パターン5; Na濃度150mEq/l (3.5hr), 140mEq/l (1.5hr), 液温36.5℃ (3.0hr), 34.0℃ (2.0hr).パターン1から4の場合には, 透析開始4時間目の平均血圧の変化率に著しい低下が認められていたのに対して, パターン5では, それが有意に防止され, 5時間の無症候透析が可能となった.透析困難症に対して, バイカーボネイト透析・高ナトリウム透析・低温度透析などの組み合わせを工夫することによって, 心血管系等の安定性を増し, 無症候透析が可能となった.
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