膵管内乳頭粘液性腫瘍のカウンターパートに該当すると考えられた胆管内乳頭状腫瘍(乳頭粘液性腫瘍)の1例

2010 
症例は73歳,女性.平成21年7月心窩部痛を主訴に近医受診.腹部超音波検査にて肝嚢胞性病変および血液検査にてγ-GTP値の上昇を指摘され,精査加療目的に当院紹介入院となった.腹部dynamic CT像上肝S3に径3cm大の嚢胞性病変を認め,内腔に濃染を呈する隆起性病変を認めた.MRCP像上嚢胞性病変とS3胆管枝が交通していた.以上より胆管内乳頭状腫瘍による粘液産生で胆管が嚢胞状拡張したものと診断し,腹腔鏡補助下肝部分切除を施行した.腫瘍割面において拡張した胆管内腔は粘液で充満し乳頭状に増殖する腫瘍を認めた.病理組織学的検査上,胆管内乳頭状腫瘍(carcinoma in situ)と診断した.免疫染色にてMUC1および5ACに陽性で,MUC2および6は陰性であった.自験例は近年の概念に従えば膵管内乳頭粘液性腫瘍のカウンターパートに該当し,組織亜型はpancreaticobiliary typeであった.
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