慢性関節リウマチ, Sjögren症候群およびCRST症候群を合併した原発性胆汁性肝硬変-ルポイド肝炎重複症候群の1例

1998 
51歳の女性, 全身倦怠感を主訴として来院. T. Bil2.0mg/dl, GOT435IU/l, GPT491IU/l, A1-P566IU/l, IgG3827mg/dl, IgM348mg/dl. A, B, C型肝炎ウイルスの関与は否定された. LE 細胞現象, ANA, ACA, SMAはいずれも陽性. AMA, 抗PDH抗体は陰性であったが, 抗M2抗体のimmunoblot法による検索で, IgA型の抗OGDC-E2抗体が単独で検出された. HLAタイピングではDR4, DR8の遺伝子の存在が証明された. 肝生検組織像は慢性活動性肝炎像を主とするが, PBC (stageII) の所見も一部に認められた. PBC-ルポイド肝炎重複症候群と診定し, 副腎皮質ステロイドを試用したところ肝機能検査成績はほぼ正常化した. 11年後に再度肝生検を実施したが改善著しくPBC (stageI) の所見のみ観察された. なお, 本例には慢性関節リウマチ, Sjogren症候群, CRST症候群, など多彩な自己免疫疾患の合併が認められた. PBC-ルポイド肝炎重複症候群の病態を考える上で興味深い1例と考え報告した.
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