C型肝炎ウイルスの in vitro 感染実験系
1993
我々は先に, ヒトT細胞株 Molt 4・MaやHPB・Ma細胞がC型肝炎ウイルス (HCV) に対して感受性を持つことを見出した。この系を用いた実験で, これまでに次の事が明らかになった。(1) HPB・Maを用いて測定したHCV材料の in vitro 感染価は, in vivo 感染価 (チンパンジー感染価) と相関する。(2) HCV粒子の細胞への吸着効率は感染価と相関する。吸着効率の悪い材料ではHCV粒子は抗体と結合した免疫複合体を形成している。(3) 吸着阻止を指標とする抗体測定系を作り, HCV持続感染患者における抗体出現を調べた所, 持続感染においても吸着阻止抗体 (即ち感染防御抗体) は産生されるが, それは isolate-specific である。(4) in vitro においてもインターフェロン (IFN) のαやβによってHCV増殖は抑制される。
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