肺小細胞癌初回治療例の血清gastrin-releasing peptide前駆体 (proGRP) の推移

1995 
肺小細胞癌初回治療10例について治療開始前から治療終了後の19週までの血清proGRPと血清NSEの変動を検討した. 10例いずれも奏効例 (PR: 6例, CR: 4例) であった.治療前血清proGRPは9例, 血清NSEは6例で異常上昇していた. 血清NSEは, 10例中9例において治療開始直後一過性 (2日目~8日目) に上昇した. その後, 血清NSE値は急激にかつ2週以内にそのほとんどが基準値内に復した. 一方, 血清proGRPは治療開始直後の一過性の上昇は10例中3例のみで, 治療開始直後 (2日目) のみであった. 血清pro-GRP値の減少は緩徐でX線画像の消退と比較的よく相関した.2例では, 奏効症例であっても血清proGRP値が基準値以下に低下せず, その後早期に再発がみられた. 以上のごとく, 血清proGRPは, 血清NSEとは異なった動態を示し, 小細胞癌の治療効果を正確に反映する腫瘍マーカーであると考えられた.
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