A Case of Ulcerative Colitis with Two Early Colonic Cancers

1996 
長期罹病期間をもつ潰瘍性大腸炎に合併した早期大腸癌の1例を報告する. 症例は60歳, 女性で, 12年間潰瘍性大腸炎としてサラゾピリンの内服治療を継続していた. 1年に1度の注腸造影検査あるいは大腸内視鏡検査を行っていたが, 平成6年9月26日の大腸内視鏡検査でS状結腸に隆起型の早期大腸癌が発見された. 10月27日にS状結腸切除術を行ったが術前に癌と診断された病変の口側に認められた隆起性病変もm癌であり, 結果的に多発癌であった. さらに平成7年1月9日にも吻合部肛門側に再発し局所切除施行, 平成7年4月24日にも再発を認め, 腹会陰式直腸切断術を施行した. 潰瘍性大腸炎に多発早期大腸癌が合併するという報告は最近増加してきたとはいえいまだ少ない. われわれの経験した症例を呈示し, 反省点とともにその診断・治療における困難さと今後の展望を述べる.
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